自然の恵みを受けて生きるマニプール農村部での暮らし

自然の恵みを受けて生きるマニプール農村部での暮らし

皆さんこんにちは!

このブログの筆者です。

初投稿から随分と日があいてしまいました。

インド全体でもそうなのですが、マニプールは今雨季で、殆ど雨降りな毎日で憂鬱です。

(画像はネットより拝借しました)

さて今日は、マニプール農村部に暮らすということは一体どのような感じなのかということについてお伝えいたします。

2011年の国勢調査によりますと、マニプールの州面積は22,330平方キロメートルで、そのうちインパール渓谷が1813平方キロメートルを占めているとのことです。それ以外は山岳部ということになります。さすが、州の殆どが山で覆われているだけのことはありますね。また、マニプール州には2,581の村が報告されておりその90%が山岳部に位置しているといわれています。さらに、856,000人いる人口のうちおよそ70%と30%がそれぞれ農村部と都市部に居住しています(2011年国勢調査)。

(画像はネットより拝借しました)

私は2017年の結婚以来、マニプール農村部に暮らしています。今までロンメイナガ族の夫の村をはじめ、仕事の都合でいろいろな村に住んできました。今回は、そんな私が発見した「マニプールのどの農村部に暮らすにも共通していること」を紹介したいと思います!

1. 農村部では手作業が大好き?!

マニプール農村部では、食事に必要な調味料のいくつかを準備する(例えばウコンを砕いてパウダーにすること)のも、お米から小石や虫などを除いて綺麗に掃除するのも、また料理に必要な発酵食品を作る(納豆も自分たちで大豆から作っています)のも家族全員分の洗濯も、電化製品の力を借りずにすべて0から自分たちで行っています。

(↑汲んで来た水で食器や鍋を洗っているところ)

州都インパールや比較的大きな街では使う人々が増えてきていますが、冷蔵庫、掃除機、洗濯機、食器洗い機など日本や他外国での必要不可欠な電化製品がまだそこまで普及されていない家が多いです。

お掃除は、ほうきでサササッと毎日毎日綺麗にしているか、タイルやコンクリート打ちっぱなしのお家はモップで磨いています。掃除機に関しては、インパールでもまだ出回っていないと思います。ゴミと言うか、埃の割合が多いので掃除機よりもモップやほうきの方が的確に綺麗に出来るのだと思います。

(↑農村部では珍しいタイルの床のお家)

なお、私の観察によると、上記のような電化製品を購入できるような経済力がある家庭は農村部でもたくさんあります。しかし、人手が有り余っている農村部という環境では、「洗濯は◯◯さんの手仕事」という認識が普通にあります。食器洗い機に関しても同じです。機械に任せてその間に自分は何か他の仕事をする、というほど忙しくないのも事実ですね(笑)。

2. インフラ設備が整っていない環境が多い

(↑NGOが運営する民間学校での朝礼)

インフラ設備は、ハード面で言えば橋、道路、学校、病院などの建物のことですね。

学校や病院に関しては、建物やファシリティ自体はしっかりとしている村はあります。学校については、政府の運営する公立学校が確か人口1000人につき必ず一校充てられるように建設されています。

(↑政府の管理する公立学校での朝礼)

しかし、建物の中で働く人材のソフト面については、教師は都市出身の者ばかりで彼ら自身は村に留まらずにそして教鞭もとらず、代理の教師をその村から選出しているという有り様です。

公立学校に頼ることなく、村出身の者たちで民間学校を建てる人も居ますが、教室が足らなかったり、トイレの数が足らなかったり、教材が揃っていなかったりと不備がたくさんあります。その裏にはハード面をしっかりとさせる資金が足らないという現状があります。

(↑NGOの運営する民間学校)

農村部での排水設備や下水道管理については、その整備は皆無に近いです。いまだに州都インパールでもしっかりとした下水道処理がなされていない状態です。これはマニプールだけに限らずインド全体にも言えることなのですが、村や街中に散々する汚いものが雨水によって流される雨季は、下痢や腹痛などに悩まされる時期と言われています。

家庭内では水道もしいていない家庭が殆どです。山の湧き水をパイプで各家庭まで流していたり、地下水をポンプで汲み取っている家庭もあります。

電気回線についても、インドでは本来なら政府に登録して各家庭や各施設にメーターを設置し、プリペイドで電気料金を支払えるようにしないといけません。しかし、マニプール農村部ではそのまま電線から直に繋げている家庭ばかりで、そんな人々は電気代がタダということになりますね(笑)。

3. 平野部では水田、山岳地帯では陸稲(おかぼ)による稲作が盛ん!

マニプールの主要産業が農産業に続き、家内工業ということもあり、農村部では農業に従事している人が殆どです。

山岳部では陸稲(おかぼ)といって、水を敷かずに稲を育てる農法で、そして平野部では水田式で稲作を営んでいる地域が多いです。

山岳部では土地面積が限られているので収穫量は家庭内消費しかまかなえませんが、平野部で土地を保有する家庭は家庭内消費用と販売用の収穫量があり、かなりの収入があるといわれています。

また、バナナやパイナップル、ジャックフルーツなどのプランテーションを保持して個人販売や卸売り販売している農家さんもいます。

(↑バナナを育てる農家さんの畑)

農閑期には油菜やキャベツ、ブロッコリーなどの野菜の栽培を行っています。

4. 狩猟や山菜採りなどで自然の恵みをふんだんに味わえる!

農作業の合間や閑散期には男性は狩猟に、女性はきのこ狩りや筍狩りなどに出かけて行きます。

野生動物のお肉は肉汁がとってもジューシーで、お肉に弾力性があり、食べたあとの満足感が半端ないです!やはり自然の恵みには舌鼓を打ってしまいます。

(↑薪の火の上で野生動物の猪肉を燻製させている)

しかし、人口増加に伴い、深い森の中に棲む動物(猪、鹿、うさぎ、イタチ、ハリネズミなどなど)も以前に比べて減少しているようです。

また、現地の山岳部族にとっても栄養価が高いのでとても高額で販売できて、かつ希少とされているものがあります。それは蜂の子やはちみつです。

はちみつは、、、国際的には2歳未満の子供には与えない!と言われていますが、マニプールでは新生児の頃から体調が優れない時などは、お薬としてほんの少しガーゼに含めるように与えています。

5. 山岳部族には欠かせない!調理のためと暖を取るための炎の大切さ

マニプールでも、近年、欧米諸国のキッチンスタイルや火をおこす時間が短縮されるメリットに系統する家庭が増えてきており、特に都市部では混雑している住居環境から薪で火を起こすことが難しいこともあり、ガスコンロを導入する家庭が殆どになりました。

しかし、薪で火を起こして炊いたご飯やカレーの美味しさにはやはり叶うものがありません!そして、農村部でも都市部でも結婚式などの大きなイベント時には必ず薪で火を起こして調理されたお料理がズラッと並びます。

また、高騰するガス料金を少しでも節約するためにも薪で火を起こしている家庭も少なからずあります。山岳部族には火は欠かせないと言う方々もいます。

もっとも重要なことに、化学調味料や保存料などに無縁な山岳部族にとっては、新鮮な生身の肉や野菜などは直火に長時間さらして乾燥させたり燻製させたりすることによって保存食になります。また、どの家庭も生水を飲料水として使用する際にもまず水を沸騰させて、冷ましてから飲んでいます。寒さが厳しい山岳地帯の真冬には、夕飯後に火を囲みながら家族でいろいろ語り合ったりと、このように山岳部族にとっては薪の火は欠かせない存在なのです。

いかがでしたでしょうか?

このように、マニプールの農村部ではとてもシンプルな生活をしていて、もちろん、不便だな〜とかなり痛感する時も少なからずあります。

結婚して今年で8年目になりますが、私でもマニプール全域には行けておらず、まだまだマニプール農村部について知らないことも多いのが事実ですが、今後機会があればまた他の県やさまざま部族が暮らす村などにも訪れたいな〜と思っています。

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