08 10月, 2025

マニプールについて

マニプールは、「宝石の地」として知られています。インパールを州都とするインド北東部の州です。北はナガランド州、南はミゾラム州、東はミャンマー、西はアッサム州のカチャール県に囲まれています。

地理的には、マニプール州は丘陵地帯と平野地帯の2つの地域に分かれていますが、州全体の約90%は山岳地帯に覆われています。丘陵に囲まれた楕円形の中央渓谷が特徴的で、一年中、季節によって変化に富んだ景観と豊かな信仰が息づいています。

マニプールの最大の特徴

  • マニプール州は手織りと手工芸の伝統が豊かです。
  • マニプール州には30以上の部族とコミュニティが居住しています。
  • メイテイ族は主にインパール渓谷に居住しています。
  • ナガ族とクキゾ族のコミュニティは周辺の丘陵地帯に居住し、チベット・ビルマ語族の言語を話します。
  • 農業と林業は、貿易と小規模家内工業と並んで主要な経済活動です。

このように、山岳地帯と肥沃な平野に恵まれ、周囲を山々や湖に囲まれた自然豊かな環境、30以上の民族が共存し合ってそれぞれの文化や伝統が独特の彩りを放つ多民族国家という、様々な輝かしい特徴を合わせ持ったマニプールにふさわしい!ということで、「宝石の地」と命名されたのだと思います。

でも、、、そんな素晴らしい意味の名前を持つマニプール、実は一筋縄ではいかない厄介な問題もたくさん抱えています。

マニプールの問題

  • その特徴的な地形のために、特に山岳地帯では産業やビジネスを確立しづらい
  • ハードインフラ面が未だに発展途上である地域が多い
  • 30以上の部族が暮らしているため部族間紛争の歴史があり、少数民族間の対立とそれに伴う暴力、避難、人権侵害が未だに頻発している
  • 麻薬や武器の密売が近年横行している
  • 独立を目指す武装組織や反乱グループの存在
  • 人口増加による自然環境への影響

近年インド中央政府もマニプール州の地政学的景観について深い理解を示しており、先述した同州内の問題のみではなく、特にマニプールは、難民流入、武器や麻薬の密売、民族の流出などが懸念されるミャンマーと国境を隣接しているので、とても複雑です。

しかし、インド北東部に位置するマニプール州は東南アジアへの玄関口であり、地域の貿易と連携に影響を与えていることも事実であり、それを認識しているモディ政権は、同州を走る高速道路の車線を増加させ、また、移動時間を大幅に短縮することが可能な鉄道の建設を始動させています。

今後、マニプールにはたくさんの変化が訪れることでしょう。現地に生きる1人の人間として、マニプールの良さがもっとたくさんの人々に知れ渡り、かつ人々の暮らしが少しだけでも改善されていけると良いと思っています。